魅惑な彼の策略にはまりました
「恋する気持ち……あんたのせいで思い出しかけてんのよ?勝手に降りないでよ」


宗十郎の反対側の腕が伸びた。
私の頭をとらえ、胸に引き寄せる。


「それって、俺と付き合ってみるって意味?」


宗十郎の声が熱っぽい。恥ずかしさがさらに増して、はっきりと答えられない。


「そうかもしれない」


「曖昧だな」


「だって、長いこと友達だったんだもん。好きだとは気づいたけど、付き合うってしっくりこなくない?」


宗十郎がふふっと笑うのが頭に響いた。
温かな胸の温度に、心臓がいっそうばくばくと鳴り響く。


「うん、じゃあ当分は今までの延長みたいな感じで行こうか」


その提案はいいかもしれない。
私は頷き、提案し返した。


「ゆっくり、それこそ中学生みたいに進展させていかない?」


「最初は交換日記からにする?」


「宗十郎、古い。さすがに古すぎる。年代が出てる」


二人で密着して、笑い合う。
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