魅惑な彼の策略にはまりました
その瞬間、心臓の鼓動はいっぺんに早回しを始めた。

言っちゃった。
あっさりストレートに一言で済ませちゃった。

私の馬鹿!

ここに来る道すがら、そして今、他にもっと前フリを考えたのに。
宗十郎の逃げ道を無くすような言葉、いっぱい用意したのに。

ぽかんとしている宗十郎を前に頬を熱くしながら、必死に言葉を探す。

こうなったら、もう引っ込みがつかない。

私は左手をひっくり返して、宗十郎の手とぎゅっと握り合わせた。
宗十郎の顔を見つめ、隠し立てできない本音を告白する。


「情けないけど、あんたの仕掛けた恋愛指南に、結構ドキドキさせてもらっちゃったの。あんたが飲み屋じゃ見せないような顔をするのが新鮮だとか思っちゃったの。かばってくれたり、可愛いとか言われるのが、嬉しいって思っちゃったんだよ!」


「四季……マジで言ってんの?」


「冗談でこんな恥ずかしいこと言えない!」


ああ、きっと私の顔は真っ赤だ。猿みたいになってたら、どうしよう。
変な汗かいちゃってるし、完全に告白に向いていない感じになっちゃってる。

だけど、止まらない。
ここでストップなんかできない。
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