魅惑な彼の策略にはまりました
現実を言えば、彼女たちはこんなデザイナーズマンションでひとり暮らしなんかできない年代だ。
できたとしたら、パトロンがいるか、夜の商売など特殊なお仕事をしているか。

というか、そんなお金持ちの女子がいたとして、おうち女子会を炭酸飲料で乾杯はしないわな。
シャンパンぽんぽんだわな。

そう、これは夢の世界なのだ。

広告もテレビも、ファンタジーだ。微妙にリアルな路線を混ぜつつも、外側に大きなハリボテをくっつける。小さなエビを大きな衣でデコレーションして天ぷらにするみたいに。

私の生きてきた世界はそういう場所。

だからかな、私の恋愛感に現実味がなくなっちゃったのは。
なーんて、これまた人のせい。


「四季、ちょっと」


斜め後ろから声をかけられ、振り向くとそこには宗十郎の姿。
なによ、あんたはAスタでしょ?いつもアネラの撮影中は離れずに中で見てるくせに。


「なにか不備でも?」


「ああ、ちょっとAスタのメイクルームまで頼む」


宗十郎が真顔で言うので、何かトラブルかと後に続いた。
Bスタを出て、下の階のAスタに隣接したメイクルームへ。
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