魅惑な彼の策略にはまりました
無人のそこへ入室し、ドアを閉めるやいなや、宗十郎が私の身体を引き寄せた。
肩をつかみ、よろけた私を強引に胸の中に閉じ込めてしまう。
一体、何事なのだろう。


「宗十郎!なによ、コレ!」


「ハグ」


「そうじゃなくて!」


宗十郎は悪びれもせず、私の耳元に唇を寄せた。


「ドキドキさせてやるって言っただろ?」


ドキドキって……こんなところで!?


「仕事中でしょう?ふざけないで」


「俺はもう終わり」


「私は絶賛仕事中なの!」


腕を宗十郎の胸にあて、ぐいぐいと押すけれど、宗十郎の身体は遠くならない。
むしろ、やっぱり見た目以上に力が強いことを痛感する。


「仕事中の方が、後ろめたくてトキメキ度アップ」


真顔でそんなこと言わないでよ。こんなつり橋効果いらない。


「本当に離して……、私のこと、部下の子たちが探しにくるかもしれないし」


薄暗いメイクルームで宗十郎と抱き合ってる姿なんか見られたら大変だ。
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