魅惑な彼の策略にはまりました
友達にこんなことをされている自分が信じられない。初めて会った男とは寝られても、友達とエッチなことをする方がはるかに抵抗があるのだと気付く。

ちゅ、ちゅ、と湿った音がメイクルームにこだまする。
嫌悪は感じない。頭を占めるのはただひたすらに『困った』という感情だけ。


「いい加減にしないと怒るわよ」


「ん……もうちょい」


私のひそめられた怒声をまったく無視で、宗十郎は強く私の肌を吸った。
ちりっとした痛みを残し、宗十郎の唇が離れる。


「うっわ……」


私はすぐに、背後の鏡に向き直って確認する。薄暗くてもわかる。真っ赤なキスマークが結構な範囲にわたって、私の肌を染めている。


「サイアク……あんたばっかじゃないの?」


「まあな」


宗十郎はぺろりと自分の唇を舐める。
不覚にもその仕草に心臓が跳ねた。
見慣れた宗十郎の中性的な顔に、一瞬、男の色香を感じたのだ。
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