魅惑な彼の策略にはまりました
「寝なくてもイイでしょ?宗十郎は『四季が恋のときめきと喜びを思い出せたら勝ち』みたいなこと言ってたかな。せっかくのイケメンの友達だし、疑似恋愛でドキドキさせてもらえるなら、心の栄養とでも思っておきなさいよ」


リリは無責任にからりと言う。この前のことを気にしていない様子なのはありがたいけれど、それにしたって他人事として面白がってる感がある。


「だからってね、仕事を妨害されたらたまんないの!」


「妨害ってほどでもないじゃない」


「あと、あれじゃセクハラ!恋のドキドキじゃない!」


否定してみるものの、これは少しだけ嘘だ。
本当のことを言えば、宗十郎に接近されるたび胸は早鐘を打つ。これは接近の回数を重ねるごとに顕著だった。

宗十郎は顔立ちだけ見たら、綺麗で見とれてしまうような美貌の持ち主。声も香りも、些細な仕草も、微妙に女心をくすぐるツボを心得ている。
今日なんか、宗十郎のコロンに似た香りを感じて立ち止まってしまったもん。
近くにいるんじゃ……なんて。

はい、危険信号。

たかが友達の悪ふざけを本気でとるなんて、男ナシ生活が長すぎておかしくなってる。
前提として、男友達に恋愛ごっこの相手をしてもらうなんて、どうやったって正常なことじゃないんだから。
< 46 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop