魅惑な彼の策略にはまりました
エントランスで宗十郎の部屋ナンバーを押す。


『はい』


インターホンに出たのは、眠そうな宗十郎の声。
24時を少し回った時間だ。もう寝ていたのだろうか。


「四季です」


言ってから思った。
あ!万が一、女子でも連れ込んでたらどうしよう!

私と喧嘩っぽくなって、むしゃくしゃして、すぐに呼べるライトな関係の女子でも招集して、ふたりでイチャイチャの真っ最中とかだったら。

ほんの一分前にそのことに気づけば、電話やメールアプリで連絡したのに!

息を飲む私をよそに、宗十郎はやはり眠そうな声で言った。


『開ける』


5階角の宗十郎の部屋の前に着くと、ドア前のチャイムも押す。
すぐにドアは開いた。

宗十郎がひとりで出てきた。
さっき別れたばかりの格好だ。スリムなシャツにアンクル丈のパンツ。

しかし、雰囲気が違う。
眠そうな目に、ぼさぼさの髪。
確かに深夜と言える時間帯だけど……。


「宗十郎、あんた酒くさい」


お酒を飲んできた私の何倍も宗十郎からアルコールの匂いがする。
よく見れば、宗十郎の右手にはウィスキーの瓶。
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