魅惑な彼の策略にはまりました
余計なことを言いだされる前にと、留美子と育江に言う。


「店はわかるから、先に行ってて」


「大丈夫ですか?四季さん」


育江が『どうやら彼氏じゃなさそうだ』という結論から、ヒソヒソ声で私を心配してくる。
私は余裕を持って答える。


「平気よ」


二人の背を見送ってから、浮気男と対峙する。


「寂しかったなぁ。LINEは全スルーだし」


この男からの誘いメッセージは二回来た。私はそれを無視している。


「既婚者からのお誘いは受けられないですよ」


どうせ、あんたは送ったメッセージ自体を消去してるんでしょうよ。
心の中でつぶやき、迷惑であると表情全部で示す。


「え?俺と寝た時、気付いてなかったの?」


「ええ、残念ながら。迂闊でした」


既婚者と恋愛するヒマなんかないのよーというツンツンした態度をかき消すように、浮気男が笑い声をあげた。
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