魅惑な彼の策略にはまりました
我が社のスタジオは麻布の一の橋交差点近くのテナントビルの1階から3階を間借りしている。
人通りも多く、頭上は首都高が走る大きな交差点から歩いてすぐのところ。
鍵を閉め、連れ立ってエントランスから大通りへ出ると、ひとりの男性が近寄ってきた。
見覚えがあった。
というか、もう私の中では完全に無かったことになっていた男が、親しげに片手をあげた。
「高原さん、久しぶり。近くまで来たから顔を出しちゃったよ」
そこにいたのは、あの浮気男・中根だった。
ぎゃっと思いながら顔に出さないよう努める私。
留美子と育江は勘違いしているようで、意味深にニヤニヤとし始めた。
あー、絶対彼氏か、彼氏候補だって思ってる。
違うんだよ、妻子持ちだって知らずに寝ちゃったワンナイトカーニバル野郎なんだよ。
そんなこと、自分の迂闊さをさらけ出すようで、ここで説明できないけれど。
「すみません、今日はもうスタジオも閉めましたので」
冷静に、というより事務的に言う私は、あくまで仕事関係者としてこの男を扱いたかった。
「そんなぁ。スタジオに用はないですよー」
浮気男がおどけてみせる。いちいち腹がたつ。
人通りも多く、頭上は首都高が走る大きな交差点から歩いてすぐのところ。
鍵を閉め、連れ立ってエントランスから大通りへ出ると、ひとりの男性が近寄ってきた。
見覚えがあった。
というか、もう私の中では完全に無かったことになっていた男が、親しげに片手をあげた。
「高原さん、久しぶり。近くまで来たから顔を出しちゃったよ」
そこにいたのは、あの浮気男・中根だった。
ぎゃっと思いながら顔に出さないよう努める私。
留美子と育江は勘違いしているようで、意味深にニヤニヤとし始めた。
あー、絶対彼氏か、彼氏候補だって思ってる。
違うんだよ、妻子持ちだって知らずに寝ちゃったワンナイトカーニバル野郎なんだよ。
そんなこと、自分の迂闊さをさらけ出すようで、ここで説明できないけれど。
「すみません、今日はもうスタジオも閉めましたので」
冷静に、というより事務的に言う私は、あくまで仕事関係者としてこの男を扱いたかった。
「そんなぁ。スタジオに用はないですよー」
浮気男がおどけてみせる。いちいち腹がたつ。