魅惑な彼の策略にはまりました
「ひどいのはどっち?宗十郎は私に恋愛を教えるなんて言いながら、混乱させてるだけじゃない。強引に迫って、優しい顔して見せて、私の反応を面白がって。私が困ってるのを見て楽しい?今度はいきなり結婚って何よ?あんたはなにがしたいの?」


本音の見えない宗十郎への不満が爆発した。
私は勢いに任せて言い切る。


「こんなのまるで八つ当たりみたい。あんたは何を恨んでるの?イライラを恋愛ごっこなんてやり方で私にぶつけないで!」


宗十郎が黙った。
唇を噛み締めた顔が下を向く。

どうやら、私の発した言葉は思いの外宗十郎の痛いところを突いたようだ。

急に宗十郎の態度が変わり、私は困惑しながらも続ける。


「恋した人と結婚って、きっと私の性格や条件じゃ、もう無理なのよ。婚活みたいに条件を擦り合わせて相手を見つけるか、ひとりで生きていく覚悟を決めるか。私が考えるべきはそこだったんだ。巻き込んでごめん。もう、やめよう」


言い終わると答えは聞かずに、宗十郎に背を向けた。
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