クレーマー
隣の席のこの美を横目で見ていても、その点数を確認することはできずあっという間名前を呼ばれてしまった。


自分の番号が呼ばれた瞬間、ドキンッと心臓が跳ねる。


自信があるため机から教卓へ移動する間に頬が緩むのがわかった。


教卓まで行くと、先生が「よく頑張ったな」と、声をかけてくれた。


あたしは先生へ向けてニコッとほほ笑み、テストを受け取る。


すぐに点数を確認すると94点の文字が飛び込んできた。


やった！


高得点だ！！


京一郎には一歩及ばなかったけれど、これだけの点数が取れれば十分だ。


「知世、点数どうだった？」


机に戻る途中、明彦に声をかけられてあたしは立ち止まった。


「まぁまぁだったよ」


そう言い、テスト用紙を見せる。


この点数なら恥ずかしがって隠す事は何もない。
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