好きにさせて





「はっ!さくらっちに!?」

「まじで〜?うそ〜、さくら紹介してよ〜」


紹介も何もおまえらコトハのことよく知ってるだろ。



「ねぇねぇ!どういうことなの〜」

「さくらちゃん、お金でも渡した〜?」


「渡してねえよ!」


ちょっと、それはないから!
人としてそれ危ない線超えちゃってるから!コトハもわたしも!



「ほらさくら〜、佐倉 琴波くんを待たせちゃダメだよ〜」

「早く行きな〜」


誰のせいだ。


わたしはしぶしぶストーブから離れ、コトハが立つ教室の入口のほうへ向かう。



「相変わらず不機嫌な顔だな」

誰のせいだ。


「相変わらず朝から爽やかな笑顔ね」


これはコトハへの嫌味である。
なんでそんなに目立つのかなぁ。

この学校には金髪頭なんていくらでもいる。だけどコトハみたいにここまで白に近く綺麗に染めているのはなかなかいない。


そして金髪のくせに一番、爽やかで柔らかい表情を持っている。こりゃあ、別世界の人間だ。わたしたちとは違う人間だ。


コトハはわたしに目線を合わせようと、少し腰を低くしてくれる。


「何の用?」

「帰り、何時に終わるか聞いてないなと思って」


そんなことかよ。


「それメールでも良かったんじゃない?」


わざわざわたしの教室に来る必要ある?ないね、うん。ない。


「あと、暇だから来た。俺ら一時限入ってないの」


暇つぶしに来るな。おまえの暇はわたしじゃなくとも今まで潰せただろ。


どんどんわたしの表情に色がなくなる。



「わたし一時限から授業あんだけど」


「で?」


「サボれとでも言うのか!?」


コトハはニコッと笑う。
いやいやいやいや!ふざけんな!
さすがにそれはムリだから!




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