好きにさせて
「というか、さくら!アタシらめっちゃ電話したんですけどぉ〜」
「そうだよぉ〜、何やってんのぉ?」
「佐倉 琴波くんを連れてこないってありえないんですけどぉ〜」
「佐倉 琴波くんはどこー?」
「この日のためにさくら生まれてきたんでしょー!」
わーわー一気に喋るな!
話題の変わりように若さを感じる、本当に家から出るんじゃなかった。
何度も言うけど、家から出るんじゃなかった。
「はぁぁぁ…」
無意識に重たいため息が溢れでた。
「おいこら!ため息吐くんじゃねぇ!」
「ウチらのバレンタインデー返せ!息するな!」
「使えないさくらに用はねぇ!母ちゃんの子宮に帰れ!」
いやいやいやいや!
「わたしのため息は怒りを爆発させるそんな罪深いものなの!?」
もうやだ、本当に子宮に帰りたい。
女子たちはわたしの周りから解散していく。
心ってもんがねーのかおめーら。
「ちょっとまて、いいからまて。どこ行くんだよ」
わたしは引き止めようと声をかける。
行動と言動の自由にもほどがある。
「はぁ〜?なに、まだ生きてたの?」
「その態度やめようか」
振り向いたその目つきも怖いっす。そしてまだ居たの?ではなくまだ生きてたの?という台詞にさすがに傷付くぞ。まだ居たの?でもじゅうぶん傷付くけど。
「ウチら使えないゴミに構ってる暇ないんだって」
「そうそう、ってことで行くよ〜」
ぇ…えーと?わたしここに何しに来たんだっけ?こいつらにいじめられるために来たわけじゃないよね?うん?
ちょっと泣いていいすか。