好きにさせて
「さくらちゃん?何してるの?」
「え…」
ひとり、ぼーっと胸を痛めてると女子の1人が立ち止まりわたしに歩み寄る。
「さくらちゃんも行くでしょ!」
「えっと、どこに?」
その女子はわたしの腕を引いて、動かせようとする。
あんた意外と腕力あるのね、腕が引きちぎれそうよ。
「体育館!バスケ部1、2年と引退した3年の生徒で試合やるんだよ!」
「いや、興味ない」
「「「「嘘つけ!」」」」
いつの間にかみんなに追いついていて、前を歩いていた彼女たちが一斉に振り向いた。
「さくらちゃ〜ん、嘘は良くないよ〜?試合あるから今頃学校に来たんでしょう?」
「いや、知らないんだけど。さっき起きたから学校に今来ただけなんだけど」
そしてそろそろ腕がもげる、逃げないから離してくれ。
「いやいやいやぁ〜!さくらがその格好で急いで学校来たのは目に見えてるから!」
「……っち」
あー、やべ。キレそう。
「こら!舌打ちしない!」
「てか、大体おまえらの所為だろが!わたしのカバン勝手に漁って何しちゃってんの?!こっちが気付いてねーとでも思ってんのかぁ!?」
そうだよ、わたし“あれ”を取り返しに来たんだっけ。こいつらにあれこれ言われるために来たんじゃない。
本当、試合とかバスケ部とかどうでも良いしすぐ帰ろう。
「……さくらっちが何に怒ってんのか分かんないんだけど」
「うん、ごめん。わたしも分かんない」
わたしは額に手を当て、もう片方の手は手のひらを前へ差し出す。
ちょっと頭冷やそう。もしかしたらこいつらの誰かが食べてしまってるだろうし、わたしの想いなんてこいつらは知らんだろうな。
「さくらってさぁー」
「なに」
わたしの考え過ぎだ。
こいつらが何かをするわけない。
「どうして生きてんの?」
どうしよう、頭を冷やせそうにない。