好きにさせて






友人の言葉とはとても思えない。
わたしは本当に何かしたんだろうか。



「まあまあ〜さくらちゃんもみんなも体育館に行くよ〜」



体を押されるようにしてわたしはみんなと同じく体育館へ来るハメになった。


試合などを観戦出来るように二階席があるここの体育館は、思っていたよりもずっと女子生徒で賑わっていた。入口付近まで溢れるほどだ。


…うるさっ。



「うっひゃ〜こりゃやべぇ〜」


「席取り組は確保出来たって〜?」


「西側の最前列確保したって!」


「りょ〜」



ああ、もう。何なの。
本当、何なの。
この感覚苦しいんだけど。


試合が良く見える席へとわたしは引きずられ、逃げ場はないぞと言うようにわたしの周りは女子が固めた。


先に体育館へ来てた女子たちに先ほどと同じように格好をからかわれるが無視だ。うざい。



「さくら!」

「さくらちゃん!」


「…なに」



そんな揃ってわたしの名前を呼ばなくても。



「ちゃんと見なよ!」

「大丈夫!いまのさくらなら誰か分からないから!」


「何が言いたいんだよ」



意味、分かんないんだけど。


体育館がワーッと歓声で包まれた。下のコートを見ると引退した3年生が登場したみたいでウォーミングアップをはじめている。

さすが、人気だった男バス3年だ。たかがドリブルでさえひと味違う。


高校生になるまではバスケットボールのルールなんて知らなかった。



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