好きにさせて
…いけ、いけ!!
入れぇええええええ!!!!!
止まった彼の足、パスを回す時間はない、彼は綺麗に高く飛んだ。
キャアアアァアアアアア!!と歓声が上がる。
同時に試合終了を告げるブザーが体育館に響いた。
よか、良かっ…たぁ…。
自分でも分からない、体の力が抜け床に膝をついた。ぽんっと肩に力がかかる。
「さくら、観なきゃ損だったっしょ〜アレは」
「イッヒヒ〜!ま、同点だけど。さすが3年生は強すぎ!」
彼が放ったボールはゴールへとのみ込まれた。
「やっぱさくらっちが惚れた人だよね〜ぱねぇっての〜」
ああ、苦しい。痺れるような感覚がわたしをおかしくさせる。
「さくらちゃん、ほら立って」
女子に支えられわたしの体を立たせる、上手く足に力が入らない。
パッと目の前に差し出されたのは“あれ”だ。
「やっ、ぱり…おめーらが…」
「ふふふっ、アタシらがさくらのこと知らないわけないでしょ」
「さくらちゃん、これ彼にあげるつもりなんでしょ?」
「…べつに」
彼女が差し出すのはわたしが大量のお菓子で誤魔化すように購入した、チョコだった。
わたしの、本命のチョコ。