好きにさせて




こんなんだからバレンタインデーは嫌なんだよ。何度も思う、いい気分になんてなれない。



わたしとコトハは…いや、意識してるのはわたしだけかもしれない。あの日以来、わたしが最後…コトハにチョコをあげたあの日以来、コトハの気持ちやコトハの周りの人間関係についてわたしは口を出さなくなった。


わたしからも、コトハからも、好きな人や恋愛事の話はしなくなった。わたしが自分から話すことも聞くことも無くなっただけかもしれない。


コトハは元々そういう事を話すような奴じゃない。そんなことは知ってる。



わたしが聞けばちゃんとコトハは答えるだろうか、そしてコトハもわたしのことを聞くことはあるのだろうか。



何も知らないはずだ。
わたしのこの状況を。
コトハに何も話してないんだから。



コトハがあれで、良かったのか…そう聞いてきてもわたしと元カレのことについてまでは聞いてこない。

興味がないのか、何なのか、わたしには分からない。本人に聞かなきゃ考えてることなんて分かるはずないんだ。



「…コトハ」


「んー?」


「彼女って…何?」



はぐらかさないでほしい。だけど、




「さーな」




コトハはこんな奴だ。




天を仰ぐコトハを見つめるけど、
コトハが何を思ってるのかなんて
わたしには分かるはずないんだ。


なんで、こんなにもコトハのことをわたしは分からないんだろう。



コトハは何だって
私のことを知っているのに。





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