母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編
「大変、たーい、へーん!」

〈また寧子だ〉

 最近寧子は、あまりのつまらなさから、
ほんとうに大したこと事ない、たとえば、

「ミチ君が、テスト落第した」とか、
(それはいつもで、珍しい事じゃない)

「ホストのおかあさんが、外泊した!」とか、
(べつにシングルなんだから、いいじゃない?)

 そんな事を、大げさに言うことに、凝っていた。
そんな感じだから、私は寧子に、

「どうせ大したことじゃないんでしょ?
今度はなに?」

 日本から送ってもらった漫画から目を外さずに、
寧子に答えた。

 そしたら、いつまでたっても、寧子は何も
言わなかった。

 私は、

「な・あ・に?」

 そう言うと、仕方なしに、漫画から目を離し、
寧子を見た。

 そしたら、寧子はニヤニヤしながら、私を見ていた。
私はとっさに、

〈あ、あの顔は見たことがある!〉

そう思った。
 
 そう、あれは、あさひが寮を出て、
アパートに移った時に見た顔だ!

「なに、もしかして、また、Ash絡み?」

そう私が言うと寧子は、

「お、成長したね~」

と、私を冷やかした。

 その言葉を聞いた途端、いきなり私の心は、
春の嵐のようにピンクのハートが乱れ飛んだ。
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