母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編
 それから、3週間位は何事もなく、当たり前の
日常が繰り返された。

 相変わらずTOEFLのテストは受けるものの、
どっかの大学に、入れるほどの点数が
取れるわけでもなく、なんとなく毎日を、
ダラダラ過ごす毎日が続いていた。

 寧子が、

「あ~あ、なにもないね~」

 そう、とにかくアクティブな寧子にとって、
何もなく平凡なことほど、嫌いなものは無かった。

「そ?、平凡で良いんじゃん?
それが、一番だよ」

 私は寧子にそう言ったものの、私自身、
退屈なのは嫌いだから、私の心の中で、
中途半端に火が付いたあとの燃えカスから、
ブスブスと黒い煙を吐き出していることに、
耐えられなくなっていた。

 それなら、必死に勉強して、TOEFLで点数を
とって大学に入学するか、晴美のように、
どこかに移動すればいいんだけど、
ここに来て半年近く経つと、そんなに必死に
勉強するような情熱は、とっくに無くなっていた。

 なにしろここは、本当に田舎。
日本じゃ考えられないくらいの田舎だから、
すべてがのんびり。

 ゆったり時間が過ぎる中、日本のような受験地獄を、
戦うような凄まじい情熱は、出るはずもない。

 それに、移動するにしたって、ホストには
1年間のホームステイ費用を前払いで払っていたから、
無理に移動しようなんて、考えられなかった。

 そうこうしているうちに、私達の夏は
終わろうとしていた。
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