オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2
下を向いて野菜炒めを口にしていた緒川支部長の眉がピクリと動いた。
愛美はそれに気付かないふりで、レバニラを口に運んだ。
(あーあ、もう知ーらない。)
緒川支部長は箸を動かす手を止めて、ゆっくりと顔を上げた。
口元に笑みを浮かべながら、目元はまったく笑っていない。
「宮本さん、目標は今日中に余裕で達成できそうだね。楽しみだな、慰安旅行。」
「……さて、もう一件行ってきまーす。」
宮本さんは慌ててその場を離れ、営業バッグをつかんで大急ぎで支部を出て行った。
他の職員たちも、怒鳴られないうちにと慌てて支部を出ていく。
あっという間に職員が出払い、支部には緒川支部長と愛美だけになった。
緒川支部長は大きくため息をついた。
「まったく…。ゆっくり飯も食えないよ…。」
「…余計な事しちゃいましたか?」
「いや…助かった。ありがとう。」
(なんか支部長じゃなくて、政弘さんと二人でいるような気がしてきた…。さっきから、上司と部下にしてはちょっと近すぎるな。)
二人きりとは言え、ここは職場だ。
いつもは緒川支部長とは必要以上に話さない。
本来の内勤職員の愛美なら、仲良く緒川支部長とお弁当の交換なんて絶対にしない。
誰が見ていなくても、職場での上司と部下という関係を保つには、近付き過ぎても遠ざけすぎてもいけない。
何事も距離感が大事だと愛美は思う。
愛美はそれに気付かないふりで、レバニラを口に運んだ。
(あーあ、もう知ーらない。)
緒川支部長は箸を動かす手を止めて、ゆっくりと顔を上げた。
口元に笑みを浮かべながら、目元はまったく笑っていない。
「宮本さん、目標は今日中に余裕で達成できそうだね。楽しみだな、慰安旅行。」
「……さて、もう一件行ってきまーす。」
宮本さんは慌ててその場を離れ、営業バッグをつかんで大急ぎで支部を出て行った。
他の職員たちも、怒鳴られないうちにと慌てて支部を出ていく。
あっという間に職員が出払い、支部には緒川支部長と愛美だけになった。
緒川支部長は大きくため息をついた。
「まったく…。ゆっくり飯も食えないよ…。」
「…余計な事しちゃいましたか?」
「いや…助かった。ありがとう。」
(なんか支部長じゃなくて、政弘さんと二人でいるような気がしてきた…。さっきから、上司と部下にしてはちょっと近すぎるな。)
二人きりとは言え、ここは職場だ。
いつもは緒川支部長とは必要以上に話さない。
本来の内勤職員の愛美なら、仲良く緒川支部長とお弁当の交換なんて絶対にしない。
誰が見ていなくても、職場での上司と部下という関係を保つには、近付き過ぎても遠ざけすぎてもいけない。
何事も距離感が大事だと愛美は思う。