オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2
愛美はもう随分長い時間、内勤席で黙々と保険商品のチラシに社判を押し続けている。
どう考えても、内勤職員の愛美が残業をしてまでするような作業ではない。
営業職員のオバサマたちは支部に居づらかったのか、いつもならおしゃべりをしながらのんびりしているのに、今日はさっさと雑務を片付けて、あっという間に帰って行った。
もしかすると峰岸主管は気持ちを察して、角を立てないように健太郎を返してくれたのかも知れないと思いながら、愛美はひたすら社判を押し続ける。
6時半を過ぎた頃、峰岸主管がそばに来て愛美の肩をポンと叩いた。
「菅谷さん、もうそれくらいでいいわ。」
「あ…ハイ。」
「社判押してあると手間が省けて助かるのよねぇ。急いでる時なんか特に。」
峰岸主管はそんな事を言いながら、社判を押したチラシを商品別に棚に並べる。
愛美は社判を引き出しにしまいながら、そっと緒川支部長の様子を窺った。
(仏頂面で、一言もしゃべらない…。)
緒川支部長は元々口数が少ないし、仏頂面なんていつもの事なのに、今は全力で愛美を遠ざけているように感じた。
“あいつの言う事なら素直に聞けるんだ”
緒川支部長の言葉がまた頭をよぎる。
あの時は緒川支部長じゃなくて“政弘さん”にそう言われたような気がした。
どう考えても、内勤職員の愛美が残業をしてまでするような作業ではない。
営業職員のオバサマたちは支部に居づらかったのか、いつもならおしゃべりをしながらのんびりしているのに、今日はさっさと雑務を片付けて、あっという間に帰って行った。
もしかすると峰岸主管は気持ちを察して、角を立てないように健太郎を返してくれたのかも知れないと思いながら、愛美はひたすら社判を押し続ける。
6時半を過ぎた頃、峰岸主管がそばに来て愛美の肩をポンと叩いた。
「菅谷さん、もうそれくらいでいいわ。」
「あ…ハイ。」
「社判押してあると手間が省けて助かるのよねぇ。急いでる時なんか特に。」
峰岸主管はそんな事を言いながら、社判を押したチラシを商品別に棚に並べる。
愛美は社判を引き出しにしまいながら、そっと緒川支部長の様子を窺った。
(仏頂面で、一言もしゃべらない…。)
緒川支部長は元々口数が少ないし、仏頂面なんていつもの事なのに、今は全力で愛美を遠ざけているように感じた。
“あいつの言う事なら素直に聞けるんだ”
緒川支部長の言葉がまた頭をよぎる。
あの時は緒川支部長じゃなくて“政弘さん”にそう言われたような気がした。