オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2
その日、佐藤さんの同行を終えて支部に戻ってきた緒川支部長と愛美が目を合わせる事も話す事も一度もなかった。

定時になると仕事を終えた愛美は、バッグと弁当箱を持って、さっさと支部を後にした。


愛美は更衣室で着替えを済ませ、健太郎に言われた通り、“居酒屋 やまねこ”を訪れた。

まだ時間も早い事から、店内は客の姿もなくガランとしている。

「ビールでも飲むか?」

「酔ってまた転んだらイヤだから、今日はお酒はやめとく。オレンジジュースちょうだい。」

愛美はオレンジジュースを飲みながら、健太郎に支部のオバサマたちに頼まれた新人の歓迎会の話をした。

せっかくすぐそばに愛美の幼馴染みの店ができたのだから、そこで新人の歓迎会を開こうと誰かが言い出した。

予定は今週の金曜日。

幼馴染みのよしみで格安にしてくれるよう頼んで欲しいと言われた。

健太郎はその話を快諾して、歓迎会の予算や提供する料理は何がいいかと相談した。

「車通勤の人とか、あまりお酒の強くない人が多いから、お茶とかソフトドリンクは多目に用意しておいた方がいいかも。」

「よし、わかった。」

「あと、料理はあまり脂っこくないほうが喜ばれるかも…。」

「あっさり系の料理を多目に用意だな。」

由香と武が店に来るまでの間、ジュースを飲みながら歓迎会の打ち合わせをした。

(そういえば…最近外でお酒飲んでないな。)


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