青と口笛に寄せられて
夕食を黙々と食べる。
今日もまた美味しい食事。
白老牛を使ったローストビーフ。
脂の乗ったトロ。
ホタテ、エビ、ウニ、イクラ、サーモン。
海鮮丼にして下さい。
ほっこり美味しい茶碗蒸し。
ほくほくジャガイモのポタージュ。
焼きたてのパン。
申し分ありません。
毎日美味しい料理、ご馳走様です!
いつもなら「美味しーい!」と騒ぐところだけど、今日は控えめに。
色々夕方、思うことがあったので。
「深雪ちゃん、具合でも悪いの?」
裕美さんに心配されて、私は「いえ!」と否定して力こぶポーズを見せた。
「元気です!モリモリ元気です!」
「いいね!俺も元気!」
隣から政さんが横やりを入れてくる。
こういう人って合コンにいたらその場を盛り上げてくれそうだな〜、と呑気に思ったりした。
「黙って食え、政」
チッと舌打ちする向かいの啓さんは、大盛りだったご飯をガツガツ食べてお茶碗が空だった。
一瞬そのお茶碗に手を伸ばそうか迷う。
「お代わりするなら持ってきましょうか?」って。
いや、そんなの厚かましいかな。
今までやったこともないもんな。
逆に気持ち悪がられるかもしれないしな。
年甲斐もなくモジモジしているうちに、綺麗な白い手が彼のお茶碗を持ち上げるのが見えた。
麗奈さんだ。
「啓。お代わり持ってくっから」
「大盛り」
「分かってる」
夫婦のような会話をして、麗奈さんが席を立って炊飯器の元へ。
その女性らしい姿を、ボーッと見ているしかない私。
女子力の差は歴然。