正義の味方に愛された魔女1
10 ボスの女
泣き止んだ私はケロッとしたもので、
反って荒川さんの方が照れくさそうに小さくなって頭を抱えていた。



《いったい、俺のあの話のどこが泣けるツボだったんだ?
………わかんね~……》



「………全部!!」



「はぁ…謎だ」







「失礼します。
荒川龍二 1課長、取調室、準備できました」



「おー、じゃ行くか。百合さん、今日もよろしくお願いします、だ。

晩メシ奢るから、キモイ奴だけどがまんして」







ボランティアのときに居てくれる荒川さんは
かなりいい男だ。

10歳も年下だから……って思っていたのはどうやら私のほうだけだった。



「キモイの?触りたくないほど?
若い娘じゃないんだし、さらっと済むんじゃない?」



「んーどう出るかわからない。でも近くに居るから俺」



頼もしい!どうしようドキドキする。

今まで同じような事たくさんあったのに、今日は荒川さんが素敵だ。



恋愛フィルターが掛かってるせいだと認めざるを得ない。



この手のフィルターには年齢制限なんて無かったんだな……。







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