お願いだから、つかまえて

「ただの友達なのに、あんなことしないだろ。あいつは明らかにお前に気がある。なんでそんな男に普通に触らせたりするんだよ!!」

付き合ってから初めて怒鳴られても、不思議と怖いとは思わなかった。

責めたい、だけど信じたい。
否定してほしい、と。
そんな叫びが、聞こえるようだったから。

「…あれは、フラワーシャワーの花びらが、私の髪についてて…」

のろのろとした弁解を、バン! という音が遮った。修吾がテーブルを拳で思いっきり叩いた音だった。

「なあ、理紗、なんでそんなに落ち着いてるんだよ。」

私に、にじり寄って。

「もっと必死になって言い訳しろよ。誤解なのにって、話を聞いてって、慌てろよ!!」
「………」

この人に、こんなことを言わせるなんて。
何も悪くないこの人を、こんなに追い詰めてしまうなんて。

「…私、は…きゃっ」

口を開いたところで、突然身体が浮いた。
修吾が私を横抱きにしたのだ。
荷物みたいに、そのままずんずん寝室に運ばれて、ベッドにドサッと落とされた。

上に跨がってきた修吾に、上体を起こそうとしたところを、両肩を力任せにベッドに押し込まれた。

「…やっ、修吾!」

修吾の大きい両手が私の着ている薄い生地のワンピースを掴んで、迷いなく胸元から引き裂いた。ベリベリッと無残な音がした。

「やだ、修吾! 痛いっ…」

すごい力で両腕をひとまとめに掴まれ、あまりの痛さに涙が滲んだ。構わず、首元に修吾が顔を寄せた。

「…あんな男に…」
「…あっ!!」

佐々木くんの指が触れていたあたりを噛まれた。
そこばかりを噛まれ、吸われ、甜められ、ひりひりして、きっともう真っ赤になっている。
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