恋のお試し期間


休日の午後。先に夕飯の買い物をして、彼の部屋へ。
緊張はする、もしかしたら最初よりもしているかもしれない。


「さあ里真ちゃん?もう逃げられないよ」
「慶吾さん」
「……、そんな困った顔されたら何も出来ない」

部屋に到着し荷物を片付けて里真がソファに座るとすぐ隣に来て。
そのままギュッと抱きしめられた。けど、彼女の表情を見て力が緩む。

「すいません。私」
「彼の言葉、気にしてる?」
「え」
「さっき。君の同僚さんが言ってた事。なんだか君は怒ってたみたいだけど?」
「ああ。あれですか。あんなの信じるわけないですよ」
「そう」
「意地悪な人なんです。慶吾さんはずっとずっと優しくて。何時も私を助けてくれます」

どんな時も味方になってくれた心強いお兄さんのような人。
でも今は私の彼氏。……になってくれる予定の人。
他の誰のものでもない。それが嬉しくてたまらない。里真は微笑む。
そんな彼女を見て佐伯も嬉しそうに笑いそっとおでこにキスしてきた。

「可愛い君の為なら何も惜しくないよ」
「慶吾さん」
「好きだよ里真。…里真」

彼からのキスに夢中になっているとそのまま押し倒される。
前と同じだ。
今回はちゃんと無駄毛の処理はしているけれどまだ目標体重まではいけてない。

だから、里真は彼の手を押し返す。

そんな事しないでも佐伯は受け入れてくれると分かっていても。

「…重くないですか?」
「ないよ」

でも彼は里真から離れたくないと言って何もしないからと2人でソファに寝転ぶ。
広めといっても2人で寝るとギリギリなソファ。
密着して寝るのは若干抵抗というか恥ずかしさがあったけれど、もっと広い所と
なると床かベッド。どっちにしろアウトな気がするのでここで我慢する里真。

彼に腕枕されてぎゅっとくっついて。体温は温かいけど恥ずかしい。

「なら、いいんですけど」
「こんなに密着できて嬉しいな」
「どうせクッションですよ。肉付きいいですから」
「そう、だね。見た目より……胸とか、大きいしね」
「ど、何処見てるんですかっ」
「見てない。当たってるだけ」
「そ、それもどうなの」

里真がソノ気になるのを狙っているのかそれとも素で出ているのか、
耳元で囁かれる言葉がどれもちょっとえっちで困る。顔だけでなく耳も赤くなってくる里真。
そんな可愛い反応にまた彼が優しく笑って、悔しいからそっぽを向いた。

暫くは他愛もない話をしていたがいつの間にか静かになって。里真が隣を見ると寝ている佐伯。
あの休日の激混みランチの忙しさと片付けを終えたばかりでお疲れのはず。
寝顔を見るなんて初めてだろうか。そっとその唇にキスして里真も目を閉じた。







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