龍神のとりこ
「ほんっとに、どうしようもないわね。あの龍神たちは。

どれだけ時間が過ぎても変わらないものもあるのね。」


トーコを見る目が同意を求めているようだった。

「あなたも、覚悟した方がいいわよ。」


「え?」


ふふっと笑うとジンは龍神たちに向かって顔を上げた。

「巫女になれば、そのうちにわかるわ。」


トーコの心臓がどくん、と音を立てた。


「コハクを龍神に戻したいの?」

「はい。」

コハクの助けになりたい。。




「だったら抱かれなさい。」

唐突な言葉に、言葉が見つかれなかった。

ジンは上を見上げたままだったがそれ以上何も言わなかった。

トーコの心が読めていることも、言わなかった。





「シオウもだいぶ歳だからね、コハクが眠っていたのが長かったのよ。

そろそろやめさせないと。」


いくつもの鋭利な風が巻き上がった。

うめき声が響き、バランスを崩したシオウがそのまま地面に叩きつけられた。

「ためらっている場合じゃないわ。愛してるなら。」

後を追ってコハクが猛スピードで下降してくる。



ジンが動いた。







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