龍神のとりこ
「巫女の気配がした。」
コハクが口を開いた。喉がゆっくりと上下した。

「巫女って、、」
「だが、あり得ないはずだが、俺が石化する前と同じ気配だった。」
緑の瞳が過去を思い出すように空を漂う。


ふとトーコに視線が止まった。


「今何か言ったか?」
「どれくらい眠ってたの?って。」

コハクは答えようがないという顔をした。

「そんなに眠ってなかった、ってことは?」

「ないな。俺の力が無くなり過ぎている。それなりに時は過ぎていたはずだ。早く力を戻さなければ、、。」






コハクはトーコを見つめた。



「トーコ、少し試させてくれ。」

きょとん、とするトーコの肩を大きな手が掴んだ。
端正な顔が降りてくる、、、


え、え、

ま、また、、、?!





くちびるが重なった。

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