龍神のとりこ
「きゃあっ!?」

ぐいっ、

布の塊になっていたトーコをコハクが抱き上げた。

「何するの??!」

マントがずれ落ちないようぐるぐるに巻きつけ、横抱きのまま
一気に飛び上がった。

ひゅうっと風を浴び、暗い枝の茂みを抜け
樹の上へ。

どっかと枝の付け根に腰をつけたコハク。
トーコはそのコハクの腕に横抱きにされている。
下をみると、、めまいがしそうになる。

月光を背にし、コハクは目を細めた。
「やっと俺を見た。」

「ちゃんと聞いて。俺を見て。」
目を背けるよりも先に、しっかりと見つめられ
瞳をそらせなくなった。

そんなこと言ったら、

あたしが悪いみたいじゃない。。


もうトーコは何でコハクを避けていたのかよくわからなくなってきていた。




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