龍神のとりこ
18.龍神 シオウ
来たか、間の悪い奴だ・・


コハクはトーコを抱く腕にそっと力を込めた。
「大丈夫だ、心配するな。」



身体ごと、ゆっくりと振り向いた。
しゃがみ込む老婆の前に、、

「シオウ。」

「コハク。相変わらずお前の技は痛くもないな。」
頑強な分厚い肉体、衣類から出た脚は鱗に覆われ
足には鋭い鍵爪。

「長く眠らされていたからな。腕ならしだ。」

「戯言か。」


ジンの身体が浮き上がり、シオウの厚い胸に囲まれる。
ジンはうめいたようだった。

「去れ。今日だけは見逃してやる。ジンが仕掛けたようだからな。」

「二度と俺たちの前に現れないよう見張っておけ。」

シオウのうなり声が大きく響いた。

コハクも紅い瞳を光らせ、風が舞い始める。

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