龍神のとりこ
19.回復
コハクは眉根を寄せ、端正な顔立ちに思案の色を浮かばせていた。

結界を張り、その中に眠るトーコを横たえ、一時もそばを離れずにいる。

薄い緑の瞳が切なげにトーコを見守る。

彼女はまだ意識を失ったままだった。
全身を強打していたが、特に右肩から上腕に掛けては、紫に変色し、ひどいあざになっていた。

どうしたものか。。


思案中のコハク、あぐらに片膝を立てた姿勢だったのが少し腰をあげた。

トーコのくちびるが何か動いたように見えた。



「、、トーコ?」
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