龍神のとりこ
気のせいらしい。

トーコの手のひらをそっと握る。

やはり、今はこれしかないな。


コハクは決心したように目を閉じると、繋いだ手のひらがうっすら赤い光を帯び始めた。




しばらくして、ぴくり、とトーコに反応があった。


顔にほんのり赤みが差している。
ぼんやりと目が開いた。

コハクはほっと息を吐いた。
「気がついたか?」
「、、コハ、ぅっ、、。痛っ、、。」
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