龍神のとりこ
「は、、っ。」

「おい、大丈夫か?ひどくうなされていたが。」


「夢、、?」

額に手をやると、じっとりと汗が手についた。

コハクのきれいな瞳がすぐ傍にあった。

手を握られて気づく。

あたしがコハクに手を伸ばしていたことに。

握られた手が温かい。


「まだ身体が痛むのか?」

顎の下に手が添えられた。

「ふ、そんなに警戒するな。何もしないとは言わないが。。」

咄嗟に顎を引きコハクのくちづけを避けていた。

くちづけ。。


コハクの形のいいくちびるに目が行ってしまう。

さっきの、夢のせいだ、きっと。


「俺のくちづけは要らないくらい、元気そうだな。」

頬が上気するのがわかる。






< 80 / 139 >

この作品をシェア

pagetop