龍神のとりこ
顎の下にそっと手を添え、斜めに視線がやってくる。

「トーコ、お前は俺を見誤ってるぞ。」

にやりとあがった口元。コハクは愉しんでいるように見える。


「龍神に戻ったら本当の姿を見せてやる。」

自信たっぷりのコハクにまたどきどきさせられる。踊るような胸を押さえながら、でも、と言いかけた。


『とりあえず、ジンに会って相談してみたら回復への近道もあるのでは?』と。

開きかけた口にまた果物が押し込まれ、阻まれた。



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