あなたのヒロインではないけれど






「すみません、変な同僚ばかりで」

「……い、いえ」


仲田さんに送りなさい! とお尻を叩かれたからか、氷上さんが私を駅前まで送ってくれた。

家まで送るとかなり粘られたけれど、私の住む一軒家がある住宅街は、あの思い出の公園がかなり近い。というかその前を通らないと帰れないから、どうしても氷上さんが通るのを避けなくては。


氷上さんに知られたくないあまりに、帰りは電車に乗るなんて嘘をついてしまった。だから、一度駅に入らないと不自然になる。


「あ、こ……ここまでで。あの……ありがとうございました」


駐輪スペースに自転車を置くと、ペコッと頭を下げて氷上さんから離れようと急いで足を踏み出した――瞬間。別の自転車の車輪に足を引っかけた。


「きゃあああ!」

「鵜野さん!」


ガタン、ガタン、ガタン。


私が倒れ込む直前、とっさに氷上さんが両手で抱えてくれたから助かったけれど。


……何十台もの自転車は、ドミノ倒しのごとく折り重なりバタバタと倒れてました……。



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