男装少女争･奪･戦 ～男子校とか無理だから！！～ 【完】

「ヤダ」

……は？

え、ヤダって何が？

……えっとさ

まさか……

俺に教えんのがヤダってこと？

何だよそれ！

流れ的に教えてくれるとこだろ今の

「最低ですよ！　非道いですよぉ……」

純粋な後輩を騙すなんて

「人聞きの悪ぃこと言うなよ
お前が勝手に勘違いしただけだろぉが」

正論……正論だけど……

期待させるような言い方したアンタが悪い！

バ会長が悪い！

つうか教える気無いなら呼び止めるな！

呼び止められたら期待するだろ

最低最悪大バ会長！

「そーですか
だったら用はありませんよ！　さようなら」

「待てよ」

まだ何かあんの？

「何スか
早く行きたいんスけど」

「お前さ、妄想癖あるって言われねぇ？」

はぁ？

呼び止めといてそれ？

人にイヤミ言わなきゃ満足出来ねぇの？

しかも今の話から妄想癖？

会長こそ頭おかしいんじゃね？

自室に戻ろうと、会長に背を向ける。

しかし……

痛ッ

髪をつかまれ引き戻される。

「何するんですか！」

何がしたいんだよこの人

「お前が帰ろうとすっから引き留めただけだァ」

「引き留めるにしてももう少しやりようがあるでしょう」

「どうやって？」

ど、どうやってって……

「声かけるとか……」

「留まんねぇだろ、お前」

「……べつんとこ掴んで引き戻すとか……」

「へぇ」

会長がうかべた嫌な笑みに俺は一歩後ずさる。

「お前にとっちゃそっちのがヤバいんじゃねぇの？」

へ？

キョトンとする俺

「体触られたらヤバいんだろ」

え……

何を……