恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】
オバァからは口うるさく絶対にネェネェにだけは言うなと口止めされとるのですが……でも、いつまでも隠し通せるようなことではないし、隠しとってもどうにもならんことなので、告白します。

実はあの台風のあとすぐ、オバァがまた倒れてしまいました。

オバァ、もう長くは生きられんそうです。

長く持ってあと2年だろうと言われとります。


入院しとった時に、しっかり治療を受けとったらもっと長く生きれておったのかもしれないのに。
でも、オバァはこれでいいのさ、天寿を全うするだけさあ、と口を開けばそればかり。
誰が何を言っても無駄です。

こうしとる今もいつまた心不全の発作が起きてもおかしくないような状態です。
ニィニィ、そんな状態のオバァが心配で心配で離れる決断ができなくてさぁ。
そんな時、偶然なのか運命なのか、今まで何年も落選続きだったコンサートに当選、場所は北海道、札幌。

こんなことでもないと南から北へ行くことなんてきっとないし、こんなチャンスきっともう二度とないかもしれんと思って、勝手にニィニィの分の飛行機のチケットも取りました。
こうでもせんとニィニィグズだからさ。
やっぱり、いざとなった時強いのは女だね、なんて。

オバァは今のところはお薬がよう効いとって安定しとります。

ネェネェ。
遅くなって本当にごもんなさい。
待たせてしまって、ごめんね。


だけどさ、ネェネェ、やっぱり運命には逆らえんように人生はできとるようです。
だって、そうさ。
だから、ネェネェも紆余曲折の中、こうして今日まで待っとってくれたんでしょ?
ニィニィのこと、待っとってくれたんだよね?

あと、オバァがさ、ネェネェに会いたがっとります。
会いたいなんて絶対に口が裂けても言わんのだけど、美波には痛いほど分かります。
ネェネェもよう知っとるように、強情で意地っ張りで、ぜーんぜんかわいくないけど。

でもね、オバァ、ネェネェが島を出て行ってからネェネェの話をしない日は1日もなかったよ。
会いたくて、会いたくて、たまらんのだと思います。

だからさ、帰って来て、オバァに会ってくれませんか?
オバァが生きておるうちにオバァとの時間過ごしてくれませんか?


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