蝉鳴く季節に…
でもホントは先生は、私の心中を察していたんじゃないかな。
大人だし。


何となくだけど…今となっては、そう思う。








先生は、仕方ないなぁって感じの笑いを漏らして、シャツを掴んだままの私の頭に、参考書をぽんと乗せた。






「そこまで言ってくれるなら、今日も水谷に頼るか!俺はゆっくり時間を作って、ちゃんと見舞いたいからな」











……やった。


やった!
良かった!









先生から受け取った参考書。




何だろ。


賞状なんかよりも、ずっと嬉しい。





嬉しい!


何だか、飛び跳ねたい気分!









私は、それを胸に抱き締めてた。




そうしてなぜか、次の瞬間には走り出していたんだ。












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