年下くんの電撃求愛

「~んん!?」


ビクッと、反射的に体を引く。

けれどしっかり頭を固定されているせいで、離れられなかった。

それどころか、くちびるにかかる圧は、より強さを増していく。


「んん、ちょ…っ、」


声を上げようと口を開いた瞬間、遠慮なしに舌が入り込んできて、わたしはパニックに陥った。

ぎ……ぎゃあああ!?なに!?何が起こってるの!?だ、誰かー!!だれ、おっ、おまわりさーん!!

脳内では、110番にSOS。けれど口から出てくるのは叫びじゃなく、くぐもった声だけだ。


「ん、や……っ、」


舌を吸われたあと、口蓋を舌先でなぞられて、全身にぞくっと痺れが走る。

足に力が入らなくなり、突っぱねようと胸元に当てていた手で、とっさに、鷹野くんのスーツをぎゅっとつかんでしまった。


「は……っ、」

「本河さん」


やっと離れたくちびる。

荒くなった呼吸。わたしの後頭部をすっと撫で上げながら、鷹野くんは、わたしの目をじっと見つめる。そして。


「……俺、本河さんのことが、好きなんです」


至近距離で、不敵な笑みとともに、こぼされた告白。

熱を持たされた頭に、そのセリフは、急速なスピードで広がっていく。

目も口も開いて固まっているわたしの体をやわらかく引き寄せ、鷹野くんは、かすれた声で耳打ちした。


「……今日のはちゃんと、覚えておいてくださいね」

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