年下くんの電撃求愛
わたしの顔を認めて、達彦はにんまり笑う。
離れた目も、八重歯も、ひょろりと細長い体も、最後に見たときから、なに一つとして変わってはいなかった。
「久しぶりだなー!元気してたかー?」
そのにやけ顔と態度に、まるで地面がぐらりと角度を変えたかのような感覚をおぼえる。
全身に、鳥肌が立つ。
なんで。その3文字が、頭を占める。
……なんで、ここに達彦がいるの?
なんで、このタイミングで。しかもなんで、声をかけてくるの。
あんな不誠実な別れ方をしておいて、どうして悪びれもなく、元気してたか?なんて言えるんだ。それに、なんで今。
……どうして、鷹野くんが、すぐそばにいるときに。
一体何の呪いか因縁か。1番顔を見たくなかった相手と、1番嫌な形で再会してしまった。
他人のフリで無視するなり、軽く交わすなり、きっと何かしら方法はあったのに、嫌な1番が重なった予期せぬ状況に、わたしはすっかり混乱してしまって、うまく立ち回ることができなかった。
「え、と……」
「ちょっとたっくんー!!店に置いてかないでよーっ!!」
それでもなんとか口を開きかけたとき、だ。
1人の女性が、怒声まじりに、こちらに向かって駆けてきた。
勢いをそのままに、その女性は、達彦の腕にぎゅっと巻きつく。
明るい髪色に、センター分けの、しっかりめのパーマスタイル。
マスカラを塗り上げ、濃く長くカールさせた睫毛や、しっかり色づいたくちびるが、彼女とわたしの明らかな戦闘能力の差を物語っている。