年下くんの電撃求愛
「おいっ、美佳ーー」
「突然音信不通になって、もやもやしたと思うから、教えてあげよっかぁ」
達彦の制止を無視して、美佳、と呼ばれた彼女は、言葉を続けた。
自身のお腹を、ゆるくさすりながら。
「わたし今、赤ちゃんがいるんだよねー。妊娠6ヶ月」
ろく、という数字と、ワンピースの下で軽く膨らんだお腹を強調して、彼女は言った。
「達彦の子。……ねえ、この意味、わかるよね?」
……うそでしょう。
ぞわっと、体を内側から撫でられたような悪寒が走った。
……意味。今、彼女のお腹に、妊娠6ヶ月の赤ちゃんがいるという意味。
達彦から連絡がなくなったのは、3月のこと。今から、約4ヶ月前だ。それは、つまり。
頭をガツンと、鈍器で殴られたような衝撃を受けた。
……浮気、してたんだ。
達彦は、わたしと付き合いながら、他の女と……この人と、寝てたんだ。
かあっと、全身が熱くなるのを感じた。
知らなかった。全然。そんなこと全然、気づかなかった。
もう達彦に未練なんてさらさらない。縁は切れているんだし、今さらなことだ。昔のことだ。
でも衝撃的すぎて、そんな風に、簡単に流してしまうことができなかった。
耳裏で脈打つ血管の音に、キインと耳鳴りが加わる。
まるでサイレンみたいに、加わった音が、大きくなる。
ずっと、ただ、飽きられてしまったんだと思っていた。
それでも十分ダメージを受けていた。しばらく、自分なんてと落ち込む日々を送っていた。
なのに、付き合っていた頃から、実は裏で浮気していたなんて。しかも、その相手を妊娠させていたなんて。