年下くんの電撃求愛
吐き気がした。だって達彦は、連絡が途切れる直前まで、普通に、わたしの体を求めてきていたから。
なにも知らずに信じて、明け渡していたかと思うと、自分自身に、ぞっとした。
内側から、気持ち悪さがこみ上げる。
気持ち悪い、気持ち悪い。馬鹿じゃないの、わたし。
なんで、どうして。どうして、こんな男に尽くしていたんだろう。なんで、どんなワガママを言われても、応えるようにしていたんだろう。
どうしてなにも気づかずに、組み敷かれていたの。なにも知らないまま別れることになって、自分の魅力がなかったのだと、落ち込んで、傷ついて、泣いていた。わたし。あー。
……本当に、馬鹿だ。
体の横に垂らしている手が、ふるえ出す。視線が定まらない。
惨めとはまさにこのことなのだと、体全部に教え込まれたみたいだった。
今すぐ、消えてしまいたかった。
……見られたくなかった。
こんなかっこ悪いところを、鷹野くんにだけは、見られたくなかった。
こんなに低い価値をつけられた自分だけは、見せたくなかった。だめだ。だめだ。
「……っ、」
……だめだ。泣きそう。
「……ああ、あなたでしたか」
そのとき、すぐそばで、鷹野くんの声がした。
粒になりかけていた涙の膜が動きを止め、代わりにふわ、と空気が動くのを感じる。
次の瞬間には、わたしは鷹野くんの腕の中に、囲い込まれていた。
「ずっとお礼を言わなければ、と思っていたんです」