年下くんの電撃求愛
鍵を受け取ると、わたしを下ろさないまま、鷹野くんは器用に開錠した。
一緒に、部屋の中に入る。
迷うそぶりなく、鷹野くんは玄関入ってすぐの短い廊下を進み、リビングの電気をつけた。
そして真っすぐ、部屋の右端に寄せてあるベッドに向かうと、その上にわたしを下ろす。
部屋にたどり着くまでの鷹野くんはずいぶん急ぎ足だったけれど、下ろすときの動作は、とても丁寧だった。
「本河さん、ゆっくりでいいから」
「ん……」
そのあと、スーツの上着を脱がせてくれるときも、水を与えてくれるときも、体温を計ってくれるときも、背中を支えながらベッドに寝かせてくれるときも……鷹野くんの手は、とても丁寧で、優しかった。
ベッドに全身をあずけ、わたしはすうっと、大きく息を吸い込む。
鼻腔に滑りこむ自分の部屋の匂いに安心したのか、さっきまでの気分の悪さが、たちまち薄れていくのを感じる。
計った体温もそこまで高くなかったし、頭痛ももう、ずいぶん楽だ。
先ほど具合を崩してしまったのは、いろいろ処理しきれないことが一度に起こって、精神的に……というか、頭がパンクしてしまったことによるものだったのかもしれない。
そんな自分に恥ずかしさを感じていると、ふと、視界が暗くなった。
「わ……っ、」
「ちょっと冷たいですよ」
ベッドのそばに来た鷹野くんは、わたしのひたいに、冷えた濡れタオルをのせてくれた。