不良少女


「君は初めてだから優しくされると思うけど、まぁ頑張ってね。

死んだらぶっ飛ばすから」


俺にとっては何の話かさっぱりだ。

岸さんが謝ってる理由も、空気が重い理由も。


星夜が言った頑張れの意味を知るまでもうすぐだった。


「梨花様、ご入場」


「今回初めて皆様にお披露目になります。

岸 梨花様です。

さぁ、宴を始めましょう」


岸さんは苦しそうに二回手を叩くと、星夜や奏が無表情で舞台に足を踏み入れる。


俺もそれについていくが、銃声で俺の足は止まる。
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