俺と結婚しろよ!






眩しい蛍光灯の下、彼らはいた。

テレビやライブでしか見たことがない彼ら。

あたしたちより、遥か高みにいる彼ら。




ロッカーの前に座っているのが、ボーカル、ギターの碧(アオ)と、ベースの酙(シン)。

少し驚いた顔をしたが、いつものクールな表情になる。

そして、あたしの正面にいるのが、ギターの艶。

腕を組んであたしたちを睨んでいる!!




そして……



碧と酙の向かいに座っているのが……



黒い髪にハットを被って、スティックを片手で弄んでいる……玄だった。




彼と視線がぶつかる。



ドキドキドキドキ……



心臓が口から飛び出しそう。

だって、彼、すごく大人になっていたけど、なんとなく面影があったから。

昔はあの顔でにって笑って、あたしを元気にしてくれた。



< 19 / 451 >

この作品をシェア

pagetop