俺と結婚しろよ!






だけど……




彼はあたしから目を逸らし、机に置いてあるミネラルウォーターに手を伸ばす。




無視か。

……無視以前に、覚えていないか。





落胆が押し寄せる。

あたしはがっくりと項垂れていた。

そんなあたしにとどめの一撃。




「お前ら、何しに来たんだ」




艶のイラついたような言葉が降ってくる。

あたしたちは慌てて飛び上がり、軍隊のように姿勢を正す。

そして、深々と頭を下げて言った。





「本日ご一緒させていただく、soleil(ソレイユ)です。

よろしくお願いします」



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