俺と結婚しろよ!






しーん……




再び気まずい沈黙が訪れる。




あぁ、賢ちゃんなら、こんな沈黙打ち破ってくれたのに。

お馬鹿なマネしてみんなを笑わせてくれたのに。

なのに、すごくすごく遠くにいるように見える賢ちゃん。

あたしたちの存在なんて、気にする様子もなく。

ミネラルウォーターを一口飲む。





やがて、



「……そうか」



艶がようやく沈黙を打ち破る。



怖くて。

だけど、日本の艶とも言われているようなすごい人を見て、震えが治らない。





だけど艶は、



「頑張れよ」



そう言って、フッと笑ってくれた。

相変わらずテレビで見るような、クールな笑いだったけど。

それが嬉しくて。

あたしは再び、深々と頭を下げた。




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