俺と結婚しろよ!





だけど……



「なんで玄なの?」



修也は言う。





「玄といても、楽しくないでしょ」






修也、分かってないな。

賢ちゃんがちゃらんぽらんなのを。

賢ちゃんはお馬鹿で優しくて、豪快で、時々大人。

賢ちゃんといたらすごく楽しいし、そんな賢ちゃんが大好き。



……なんてこと、修也に言えるはずもない。







「ですよね、そう思います」




だから、あたしじゃないです!

と言おうとした。

それなのに、修也はあたしの言葉を待たず、ペラペラと話し出す。






「僕、君のこと、興味あるんだよね。

音楽番組で君たちのライブを見てから」



「え?」




思わず修也を見る。

マスクと眼鏡でその顔は隠れていたけど、ニヤリと笑った気がした。





「僕、楽しいよ?

玄よりイケメンだし、ギャグのセンスもあるし」





いや……ギャグのセンス、きっと賢ちゃんのほうがあるよ。

それに修也、スベってばっかりだと思う!

テレビで見ても、よくスベってる!!



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