俺と結婚しろよ!
「咲良、ふざけてんのか?
お前のこと、考えないわけねぇよ」
「え?」
「咲良、あの辺りにいるだろうな、とか、
ちゃんと聴いてくれるか、とか。
あとは、やべーミスった。
咲良にバレてねぇよな、とか、
俺のスティックすげぇだろ、とか」
「ミスったの?」
最後の馬鹿発言は、見事にスルーしてやるあたし。
こんなあたしに賢ちゃんは言う。
「そりゃ、ミスるだろ。
人間だから」
「でも、全然分からなかった!」
そうなんだ。
賢ちゃんでもミスすることがあるんた!
悠真が賢ちゃんはいつも正確って言うから、ミスなんてしないものだと思っていた。
「ま、そんなんだから、俺は今日も行ってくる」
「うん」
賢ちゃんをありったけの笑顔で見ると、賢ちゃんは少し赤くなって俯いた。