俺と結婚しろよ!
なーんだ。
賢ちゃん、あたしにやらせたくない訳ではなかったんだ。
むしろ、あたしがやりたくないと思って気を使ってくれていたんだ。
そういうさりげないところ、やっぱり好きだな。
「ヤバイ!
あたしが蒼さんの代役して、男性ファンがたくさん出来たらどうしよう」
「それなら俺が、ステージ上でプロポーズしてやるよ!」
「もういいから!!」
あたしは近寄ってくる賢ちゃんを突き放し、顔を背ける。
それでも、やっぱり胸がドキドキして温かくて。
賢ちゃんの存在を感じるだけで、発熱しそうで。
「手ぇ繋ぐか?」
そう言って、そっと触れてきた賢ちゃんの手に、発狂しそうになった。
やっぱり、あたしには賢ちゃんしかいない。